聴くチカラは、仕事でも家族でもPTAでも、日常に大きく影響しています。
それだけに、どれだけトレーニングしたらどうなるのか、
というのが見えづらい部分があります。
管理職研修で「傾聴」を3時間学んだら、人の話が聴けるようになるのか?
どうでしょうかみなさん?
もちろん、もともとのセンスや、レクチャーをどれだけ自分に落とし込めるかで、
同じ3時間でも成果はだいぶ変わってきます。
もちろんカウンセラーとしてのトレーニングでも同じです。
カウンセラー養成講座を謳っている団体で、
最初の資格を取るのに、
実際に人の話を聴く実習時間の合計数はどれくらいかご存知でしょうか?
元祖・公的資格だった産業カウンセラーは、当時実習数80時間超でした。
※このほかに、数十時間の理論学習があります。
現在は100時間以上の実習数を確保しています。
それだけの実習(と理論)を受けて、 資格を取っても、
最初の資格ではカウンセラーとしての就職はほぼできないと言われます。
また、同じ養成訓練を受けた人でも、「聴くチカラ」の伸びが不十分であれば、
そもそも試験に合格できるとは限りません。
どれだけのトレーニングをしたら、どのレベルになるとされているのか、
何を目指せばいいのか、
試験に落ちる人は何が足りないのか、
このあたりがわからないと、やっていてなかなかつらいことになるのは想像に難くないですね。
ありがたいことに、この連載を始めてから、
「傾聴力をつけたい」というお問い合わせをちらほらいただくようになったのですが、
ご自身が今、どんな段階で、何を目標にトレーニングするかを相談するのに、
目安をご説明するのに必要で、 実習時間とレベルの対応表を作りました。
対応時間は、ケース数と実習数の合算として考えます。
カウンセラーとしての就職は、だいたいレベル3くらいからです。
便宜的に「シニア産業カウンセラー」の資格名を使っていますが、
"中級"とお考えいただければ良いと思います。
最初の資格からは3年以上経っていることも受験資格に含まれます。
ただ一生懸命きくだけでは、下手すると自分がつぶれる、と以前書きましたが、
例えばネガティブな気持ちに引きずられないように自分を保つことも、
レベル3程度のトレーニングがあると、
そこそこコツというか、必要なあり方がつかめてきます。
と考えると、 最初の資格からのさらなる修行が、大変かもですね!
でも、ここを乗り越えると、
仕事はもちろんどこに行ってもコミュニケーションが怖くなくなるので、
人生の大きい実りにつながります。
わたしの感覚では、 ここからさらに「優れた」カウンセラー、
「最高の」聴くチカラを目指すには、
聴き手のトレーニング時間だけでは足りず、
自分の本当の感情に向き合う、
つまりクライアントとしての時間も重ねる必要がありますが・・・
ここも、またの機会に書きますね。
次回からは、上の対応表の各ステップを少し詳しく見ていきます。