子どもの話を聴く2

子どもを助ける話の聴き方、の続きです。

赤ちゃんから少しずつ成長して、
子ども自身が「言葉」を使ってものを考えられるようになっていく段階では、
「欲求の言語化」の他に、 「状況や意味の描写」も本人を助けます。

子どもの話って、要領を得ないですよね。
何がどうした、という状況や、
自分が成し遂げたことや、
他者との関係においての意味、のようなことを表現する術は
とても拙いところから始まります。

子どもの話を聴くのがうまい大人は、
言わんとしていることを最大の想像力で汲み取るわけですが、
ここできいている側があえて、
自分として理解する目的以上に、
言葉で描写してあげると、子どもの認識力がぐっと高まるのですね。

1歳くらいのチビちゃんは、動くものや落ちるものが好きで、
指さしたりしますね。
この時、「葉っぱだね。ひらひら〜って、落ちたね! ひらひら〜」といった感じで、
見えたものを言語化しているママはいることでしょう。
とても共感性が高い行動です。

この行動の繰り返しにより、
子どもは身近な大人と出来事や見えるものを共有しながら、
言葉で世界を認識します。

「状況や意味の描写」は、無意識でやってしまうことも多いです。
たとえば友達との喧嘩で、
「ゲームの取り合いになって、引っ張り合いになって、転んで怪我しちゃったのね」
ここまでなら、客観的でいいのですが、
よくあるのはここにママの主観的な評価がはさまること。

「どんくさいわね」
「ワガママなんだから」
「あなたのほうが体が大きいんだから、譲ってあげなきゃ」

お気付きの通り、ママが良かれと思っていうような「指摘」はほぼダメ出しです。
これが積み重なって、本人の自己認識を作っていくとしたら、
ダメ出しはしないに越したことはないですね。
話を聴く、はぜひ受容的な、それが難しければせめて客観的な態度で臨んでください。

もちろん、親の言葉は話を聴く以外の全ての場面でも子どもに大きく影響します。
大人が言った言葉によって、子どもは自分と世界を意味づけていきます。
普段の言葉づかいは、子どもの育ちにはとても重要ということですね!

大人が無意識にしゃべっている言葉は、その人本人の世界を表してもいます。
子どもの行動や考えに、おや? と思う部分があったら、
周囲の大人の使う言葉に注目してみてもいいでしょう。

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